Cr Buildup
CRビルドアップ
2005年に外傷による中切歯の破折です。
本来であれば、クラウン(被せもの)で対応すべきかもしれませんが、当時16歳で歯肉のラインが将来的に変化することが予想されたため、コンポジットレジンのビルドアップという手法を用いて修復しました。あくまで暫間的な処置です。
術前



CRビルドアップ


術後



All Ceramic
オールセラミック・べニア症例
2005年に前歯の審美障害を訴えて来院された当時64歳の男性です。
かなり古い形式の被せものがしてあり、御家族から審美障害を指摘されたそうです。除去すれば正中に隙間が空き、それを改善するにはかなり大きな被せものを必要としました。
その場合、隣の歯(側切歯)の幅との差が極端になるため、矯正治療を提案しましたが受け入れて頂けず、真ん中の2本(中切歯)をクラウンで、両サイドの歯(側切歯)をラミネートべニアにて修復することで、両者の幅径のバランスを取ることができました。





Intentional Replantation
意図的再植症例
2020年3月11日、左上奥歯が噛んだら痛いということで来院されました。診たところ、第二小臼歯が縦に破折しており麻酔下で破折片を除去したところ、歯肉縁下にまで到達していました。
保存不可能と思われたため、抜歯が必要と説明しましたが、注意深く抜歯したところ、周囲の骨も歯根も最小限のダメージで抜歯できたため、頬側と口蓋側(外側と内側)を逆に再植して固定しました。歯周組織の治癒を待ってクラウンを被せました。術後4年経過も経過良好です。




Autologous Tooth Transplant
再植と自家歯牙移植
外傷で脱落した歯牙の再植が上手くいくかどうかは歯根膜の生死が鍵を握っています。同様に歯牙の移植が成功するかどうかも移植歯の歯根膜の生死にかかっています。
多くの場合、智歯(親知らず)をドナーとして用います。ドナーとなる歯がある場合はインプラントを選択する前に自家歯牙移植を提案します。

Intentional Replantation
歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしり、食いしばりは多くの場合、ストレスによって夜間就寝時無意識に行われます。
上下顎の骨隆起や歯の摩耗、頬粘膜に認められる白線などによって、それが疑われます。知覚過敏や被せものの脱離、場合によっては歯の破折により抜歯を余儀なくされ事も珍しくはありません。
夜間就寝時に用いるナイトガードを歯科医院で作成して使用するのが望ましいでしょう。ナイトガードは歯ぎしりをなくす装置ではありませんので、長く使用しているうちに破損することもあります。










Basic Periodontal Treatment
歯周基本治療
歯周ポケットの数値は3mm以下が正常値であり、ポケットからの出血があるかどうかで炎症の有無を確認します。
患者さん自身の歯肉縁上のプラークが除去できるようになった事を確認した上で、歯肉縁下のプラークや歯石を除去します。これを歯周基本治療といって、大多数の歯周病はこの歯周基本治療で対応できます。
抜歯して義歯を薦められた患者さんであっても御本人のホームケアが徹底すれば思った以上の効果が得られることは決して珍しいことではありません。
初診時と10年後の口腔内写真

初診時と10年後のポケット値の変化

初診時と10年後のレントゲン写真

Periodontal Treatment 28
歯周基本治療
1995年3月、「歯肉から出血する。入れ歯になりたくない」と仰って、来院された当時58歳の患者さんです。当医院に通院しておられた患者さんのお母様でした。
初診時、全顎的に5mmを越える深いポケットが多かったのですが、歯周基本治療(ブラッシング指導と歯肉縁下のスケーリング)で歯周組織の改善が認められ、歯周外科をする事なく86歳の今日まで義歯にすることなく、メインテナンスに来院しておられます。
初診時と28年後の口腔内写真

初診時と28年後のポケット値の変化

初診時と28年後のレントゲン写真

Gingival Inflammation
歯肉の炎症
歯周ポケットの中にブラシの毛先を入れなくても、歯肉縁上プラークの除去によって歯肉縁下プラークの細菌叢は変わります。来院直前の歯ブラシでプラークを落とす事はできても、歯肉の炎症は急には消退しません。歯肉の発赤や腫脹が消退してきたという事は毎日のホームケアが定着した証だと言えます。
初診時37歳女性

初診時

初診から2週間後(1)

初診から2週間後(2)

初診から1か月後(1)

初診から1か月後(2)

初診時46歳女性

初診から1か月後

Autologous Tooth Transplant
自家歯牙移植
1993年2月に右下第二大臼歯の修復物が脱離、痛みがなかったため6ヵ月放置、歯冠破折して8月に来院。
保存不可能であったため抜歯し、右下親知らずを第二大臼歯抜歯窩に移植し、根管治療の後、メタルクラウンにて修復。その後術後22年間は問題なく経過。










Aesthetic Restoration
審美修復
前歯の審美障害を訴えてこられた34歳の女性です。
オールセラミッククラウンを希望しておられましたが、歯冠長が短く乳歯のような形態をしていたので、テンポラリークラウン(仮歯)に置き換えた上で外科的に歯冠長を長くし、歯肉の回復を待ってオールセラミッククラウンを装着しました。
初診時

初診時

外科的に歯冠長増大

外科的に歯冠長増大

テンポラリークラウンにて治癒を待つ

最終補綴

最終補綴

wisdom teeth
親知らず
臼歯の最後方にある歯を智歯、または親知らずと呼びます。
萌出の位置や傾き、時期なども個人差が大きく、7割の人に1本以上の欠損が、3割の人に全部の欠損がみられます。
最後方にあるため食物残渣が停滞して不潔になりやすく、虫歯や歯肉の炎症が発生しやすく、萌出の仕方によっては前方に歯の移動を引き起こしたり、顎関節症を引き起こしたりする事もあるため、しばしば抜去の対象となります。厚生労働省の歯科疾患事態調査によると最も寿命の短い歯は下顎の第二大臼歯だそうですが、智歯との関係もあるのかもしれません。智歯が歯牙移植の供給源としての役割を担うこともあるので、抜歯については慎重に考えたいものです。
下顎の親知らずについては抜歯の際に下歯槽管という神経を傷つける心配がありますので、不快症状の有無にかかわらず、抜歯しておいた方がよいかどうかは、かかりつけの歯科医師に判断を仰いだ方がよいと思われます。
初診時

斜めに萌出した智歯

斜めに萌出した智歯

真直ぐに萌出した智歯

親知らず抜歯後に残った第二大臼歯の虫歯

第二大臼歯の歯周炎悪化

第二大臼歯遠心(後方)の虫歯

Front Tooth Transplant
前歯移植症例
1999年3月12日、右上中切歯が齲蝕により破折して来院されました。
主訴の右上中切歯が保存不可能であった事、右上側切歯が下顎右側中切歯、側切歯よりも舌側に萌出していたため、右上中切歯抜歯後、側切歯を中切歯抜歯窩に移植し、ワイヤーにて固定。治癒を待って右上犬歯と移植した側切歯でブリッジを作成、装着しました。














ブリッジを装着して終了
